2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

スエーデン映画「MAN SOM HATAR KVINNOR/THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO/MILLENNIUM(「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」)、Niels Arden Oplev 、2009

世界的なベストセラーの映画化、という話だが、わたしはあまり知らなかった。 はじめは、松本清張のようなお金持ち家族の謎解き、それがナチス絡み、ユダヤ人絡み、またはサイコ系、そして武器密輸とか変転するが、もっとも注意を引くのは、謎を追いかけるわ…

イギリス映画「Dorian Gray」、Oliver Parker 、2009、イギリス

オスカー・ワイルドの手になるこの原作を、恥ずかしながらわたしは読んでいない。 今回で三度目の映画化だという。 美貌というか、永遠の若さに自他ともに翻弄される話であるが、本来ならばゴチック性がより濃厚に浮き彫りにされるはずのものかもしれない、…

フランス映画「Un prophète」、Jacques Audiard、2009,フランス

このように優れた映画作品については、観ているあいだに五十くらいのことを考える。 しかし数時間後に思い出そうとして思い出せるのは、せいぜいが二十か十五くらいのこと。 しかも後に、他のひとに語ったり、書き記そうとしたとき、言い表せるのはやっと三…

米国映画「インセプション(Inception)」、Christopher Nolan、2010、米国

夢の多重構造などを、もともとはボルヘスの短篇などにより、典雅に繰り広げたもの。 生臭い話がからまり、ポピュラーな映画の要素、重火器やら逃走劇、ファイティングなどがちりばめられ、おおいに見世物として成功している。 しかし話が派手になればなるほ…

米国映画「Food, Inc」、Robert Kenner、2008

食べ物にいかに関心を抱くか。 いま、なにを食べているかを考えられるか。 たとえば米国では、牛肉などの食肉生産現場は寡占がすすみ、工場と化しているほど。 もちろん豚にしろ鶏にしろもおなじこと。 一年まえに豚インフルとかいうことで、メキシコの豚肉…

ドイツ映画「The Last Station(「終着駅 トルストイ最後の旅」)」、Michael Hoffman、2009、ドイツ、ロシア、イギリス

トルストイは、「戦争と平和」やら「アンナ・カレーニナ」などを著しながら、人道主義に傾いていき、それを慕うひとが絶えず、トルストイ主義という運動体にいたる。 トルストイの掲げる理想とはべつに運動体としての利害がそこにかかわってくると、そこにも…

日本映画『崖の上のポニョ』、宮崎駿、2008、日本

シネテカでは今月いっぱい、マティネにて『崖の上のポニョ』が上映されているということで、この機会を逃してなるものかと駆けつける。 三四ヶ月前に商業公開され、その際にぜひ見ておきたかったが間に合わず。 あまり商業公開も話題にのぼらなかったように…

メキシコ映画「Abel(アベル)」、ディエゴ・ルナ、2010、メキシコ

あのディエゴ・ルナの監督第二作目、一作目はボクサーのフリオ・セサル・チャべスについてのドキュメンタル。 今回のプロデューサーには僚友のガーエルのほかにあのジョン・マルケビッチが名を連ねているのに驚く。 少年アベルは九歳程度で、精神疾患をかか…

アルゼンチン映画「El secreto de sus ojos(瞳の奥の秘密)」、 Juan José Campanella2009、アルゼンチン・スペイン

ニホンでは去年のスペイン映画祭で公開済み、それで今年のオスカー賞の外国映画部門を受賞、さらにふたたびニホンでも夏に一般公開が予定されている。 例によって前もってはなるべく内容を知らずに心して見る。 必死にストーリーを追う。 劇的かつ、アルゼン…