2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ペルー映画"La teta asustada(悲しみのミルク)",Claudia Llosa, Peru-España, 2009

ちょうど80年代のペルーではセンデロルミノソというゲリラグループと政府との争いがはげしく、おおくの市民、ひとびとが犠牲になる。 主人公の女の子ファウスタは二十歳前後、しかしその母親がそのあおりをうけ、レイプの犠牲者に。 授乳をつうじて母親の哀…

「ウホッホ探検隊」、根岸吉太郎、1986、ニホン

原作は干刈あがた、このひとの作品はリアルタイムで読んでいた。 雑誌「海燕」第一回の新人賞。 いろいろといわくの多いひとらしく、リコン家庭というのが、まだ好奇のまなざしを差し向けられていたころの話。 単身赴任の夫とその家族の拮抗、夫には愛人がで…

スウェーデン映画「Låt den rätte komma in(「Let the Right One In」)」Tomas Alfredson.スエーデン、2008

まずは猟奇性、ついで子どもの世界の野蛮さ、出だしはあまり気が乗らない、というか不快。 しかしこれがスエーデン都市社会のヴァンパイア神話のヴァリエーションだとわかってくると、さあ、お手並み拝見ということになる。 主人公のブロンドのマージナルな…

「おくりびと(Violines en el cielo)」滝田洋二郎、日本、2008

ヤラレタ、とひと言だけでやめておこうと思った。 見終わってからメトロの駅までため息とも深呼吸ともつかぬ息遣いとともに歩く。 そして見終わってから半日たち、これはことばにはできない、などと怠惰の自己肯定をしてはいけないという気になる。 このあい…

「Away we go」、Sam Mendes, 米国、2009

サム・メンデスというこの監督は、前作がデカプリも出演したRevolutionary road。タッチが似ている。 子どもが生まれることになった若いとは必ずしもいえない若者夫婦、ただし籍はいれないらしい。 いまの森のなかを離れ、三人で暮らすのにベストな場所を求…