2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ニホン映画「ひみず」、園子音、2011、ニホン

Himizu”, 園子音, 2011, Japan。 親に見放された中学生の男の子、親を憎むことしかできない環境の​男の子はとうとう貸しボート屋稼業にてひとりで生きていこうと決​心。おなじく親から見放された女生徒が付き添い、邪険にされなが​らも男の子を支えていこう…

フランス映画“サラの鍵”, Gilles Paquet-Brenner, 2010, France

フランス自身がフランス在住のユダヤ人を強制収​容所に送ったというのはフランス史の汚点らしい。そんな収容所か​ら奇跡的に生き延びたユダヤ人少女はようやく元のアパートに戻る​が、隠しておいた弟は死亡。そんな後ろめたさを負ってこの少女は​戦後を生き…

イギリス映画「In this world」、マイケル・ウィンターボトム、2002、イギリス

パキスタンの難民キャンプで暮らすアフガニスタン人の少年と青年という従兄弟が豊かな将来を目指してはるばるイギリスまで陸路で旅をするという話。 しかしいくつもの国境を渡らなければならないし、いのちの危険はあるし、お金の心配はあるし、これほど苦渋…

フランス映画"L'arnacœur(ハートブレイカー)", Pascal Chaumeil, 2010, France

例によってあらすじなどおかまいなく見たものだから、ケヴィン・コスナーの「ボディガード」のコミカルなパロディかと思っていた。 すると男二人に女一人のこのチームは、カップルを別れさせる仕事を請け負っているのだとわかってきた。 依頼主は若い女の父…

イタリア映画「Il conformista(暗殺の森)」, Bernardo Bertolucci, 1970、イタリア、フランス、西ドイツ

イタリアにおいて、いわゆる活動的なファシストの内面にはどんなものが巣食っているのかを解き明かそうとした作品。 原作はアルベルト・モラビアの「孤独な青年」で、子どものころのトラウマからひとがなぜ歪んでいってしまうのかを叙述する。 ジャン・ルイ…

”Drowning by Numbers(数に溺れて)”, Peter Greenaway, 1988、イ

祖母、母、娘の三代にわたってそれぞれの夫を溺死させるという、いってみれば怪奇事件ではあるが、冒頭からさまざまなゲームが飛び出してきてリアルさが宙に浮いている。 これはべつにリアルさが欠けているというわけではなく、数のゲームなど、どこか別の世…

米国映画「The Tree of Life(ツリー・オブ・ライフ)」、Terrence Malick、2011、米国

映画館にて観ているあいだ、ずいぶん壮大で優美な作品だと感銘を受けた。 ところが数日してみると、それほど鮮明な印象に恵まれていないことに気がつき、自分に判然としなかった。 米国の厳しい躾けの家庭が描かれ、しかし事故によって家庭の幸せが崩される…

英国映画「Beautiful people」、Jasmin Dizdar 、1999、イギリス

イギリスはとくに都市部を中心にすさんだ雰囲気が街にみち、それは家庭内でも家族の価値観に支障をきたしている。 若者は働かず、サッカーなどに浮かれ、ショービニズムが蔓延。 そんななか、移民がしだいに増えつつあり、それも社会不安をあおっているが、…

メキシコ映画「La perdicion de los hombres(男たちの消失)」、Arturo Ripstein, 2000, メキシコ

冒頭、サボテンの原の道にて二人の農夫が一人の農夫を殴り殺す。 まるで動機なしの殺人のようで一気に謎へと引きずりこまれる。 しかしこの二人は殺した相手を丁重に扱い、どうやら顔見知りないし仲間らしいことに気がつく。 この村はメキシコでは珍しいこと…