2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧
Himizu”, 園子音, 2011, Japan。 親に見放された中学生の男の子、親を憎むことしかできない環境の男の子はとうとう貸しボート屋稼業にてひとりで生きていこうと決心。おなじく親から見放された女生徒が付き添い、邪険にされながらも男の子を支えていこう…
フランス自身がフランス在住のユダヤ人を強制収容所に送ったというのはフランス史の汚点らしい。そんな収容所から奇跡的に生き延びたユダヤ人少女はようやく元のアパートに戻るが、隠しておいた弟は死亡。そんな後ろめたさを負ってこの少女は戦後を生き…
パキスタンの難民キャンプで暮らすアフガニスタン人の少年と青年という従兄弟が豊かな将来を目指してはるばるイギリスまで陸路で旅をするという話。 しかしいくつもの国境を渡らなければならないし、いのちの危険はあるし、お金の心配はあるし、これほど苦渋…
例によってあらすじなどおかまいなく見たものだから、ケヴィン・コスナーの「ボディガード」のコミカルなパロディかと思っていた。 すると男二人に女一人のこのチームは、カップルを別れさせる仕事を請け負っているのだとわかってきた。 依頼主は若い女の父…
イタリアにおいて、いわゆる活動的なファシストの内面にはどんなものが巣食っているのかを解き明かそうとした作品。 原作はアルベルト・モラビアの「孤独な青年」で、子どものころのトラウマからひとがなぜ歪んでいってしまうのかを叙述する。 ジャン・ルイ…
祖母、母、娘の三代にわたってそれぞれの夫を溺死させるという、いってみれば怪奇事件ではあるが、冒頭からさまざまなゲームが飛び出してきてリアルさが宙に浮いている。 これはべつにリアルさが欠けているというわけではなく、数のゲームなど、どこか別の世…
映画館にて観ているあいだ、ずいぶん壮大で優美な作品だと感銘を受けた。 ところが数日してみると、それほど鮮明な印象に恵まれていないことに気がつき、自分に判然としなかった。 米国の厳しい躾けの家庭が描かれ、しかし事故によって家庭の幸せが崩される…
イギリスはとくに都市部を中心にすさんだ雰囲気が街にみち、それは家庭内でも家族の価値観に支障をきたしている。 若者は働かず、サッカーなどに浮かれ、ショービニズムが蔓延。 そんななか、移民がしだいに増えつつあり、それも社会不安をあおっているが、…
冒頭、サボテンの原の道にて二人の農夫が一人の農夫を殴り殺す。 まるで動機なしの殺人のようで一気に謎へと引きずりこまれる。 しかしこの二人は殺した相手を丁重に扱い、どうやら顔見知りないし仲間らしいことに気がつく。 この村はメキシコでは珍しいこと…