2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧
・「Senki(Shadows)」Milcho Manchevski、マケドニア、ドイツ、イタリア、ブルガリア、スペイン(2007) マケドニアという歴史的、政治的にも微妙さをはらんだ国の監督による作品。 しかし、不条理的なサスペンスにみちていて、さながらコ…
ドイツのいなかにすむ老いを感じ始めている夫婦。 夫のルディが癌でそれほど先がながくないかもしれないということで、出不精の、ルーティーンのみによりかかり、新奇なことを避ける夫を妻のトゥルディが旅に誘う。 ベルリンに住む息子夫婦を訪ねたり、親交…
・「Delta」Kornél Mundruczó、ハンガリー(2008) ミハイルという若いおとこが、ドナウ河の河口あたりの町へ帰ってくる。 長い間、故郷を不在にしていてまず母親に会おうとする。 しかし母親は愛人と暮らしていて、ミハイルの場所はなかった。 し…
「Satanas」Andrés Baiz、コロンビア(2007) 実話である大量虐殺の中年の犯行者をふくめ、三人がからむ話。 もうひとりは、おんなに身をやつした中年のカトリック聖職者。 美人局のようなもので仲間と荒稼ぎするべつの若いおんな。 適当にヴァイ…
・「Torch Song Trilogy(「トーチソング・トリロジー」)」ポール・ボガート、米国(1988) ゲイのアーノルドの愛情生活を丹念に描く。 エンターテーナーとして喝采をはくしながら、おとこの遍歴をつづける。 しかしゲイのおとこ関係も異性関係とおなじ…
「El viaje de Teo(「テオの旅」)」Walter Doehner,メキシコ(2008) オアハカの九歳の少年テオは、村でまずしい楽隊を指揮する叔父といっしょに暮らしていた。 幼いときに父親は消えてしまったが、じつは監獄に留まっていたらしく、突然、目の前にあ…
・「The Stranger」Orson Welles, 米国、1946 カミュの作品の映画化だったのではないかと見始めたが、ちがっていた。ヴィスコンティ版だけであった、恥ずかしい。。。 敗戦後のドイツから逃亡したナチ関係者を躍起になって逮捕しようとする米国の警察の…
「À bout de souffle(「勝手にしやがれ」)」ジャン=リュック・ゴダール、1960、フランス ゴダールの処女長編であり、かつヌーベルバーグの古典でもあるこの作品をはじめて観る。 自堕落に生きる主人公は、米国映画にうつつをぬかしたり、格調ふかいパ…
「L'Année dernière à Marienbad(「去年マリエンバートで」)、アラン・レネ、1961、フランス・イタリア 古典中の古典のひとつで、脚本はヌーボーロマンの旗手アラン・ロブ=グリエ。 はじめてみたのは何十年もまえのこと、もちろん、ちらりと覗いたく…
街には街の暮らしがあり、山には山の暮らしがある。どちらが心地よいかいえないが、山のほうがニンゲンでいられるというのは、間違いではないだろう。 しかし街のひとは山のひとを犠牲にして暮らす。 じつは正解かわからない。 もうすこし控えめな言い方をす…
・「Cobrador, in god we trust」、Paul Leduc, 2006, メキシコあのポール・レデュックの新作、じつに13年ぶりの作品が上映開始。 ブラジル人のルベン・フォンセカの短篇小説に基づいたこの作品は、ヴァイオレンスの映画ではなくて、ヴァイオレンスについ…
・「Lola(ローラ)」Maria Novaro、メキシコ、1989マリア・ノバロのはじめての長編映画は Lola という。 制作は1989年。 主人公のローラはシングルマザーのような、おんなのひと。 露店商を営む。 娘は小学に入ったばかり。 シングルマザーといって…