米国映画「Saving face(素顔のわたしを見つめて)」(2005)

 NYの華僑映画というと、マイケル・チミーノのザ・イヤー・オブ・ドラゴンがたしかマフィア映画だったかな。
 ところがこの中国人の移民社会は、戦後、国共合作以後の内戦の終結後に米国に移ってきたひとたちのコミュニティ主体。すこししかしらないけど、おなじ海外の中国人コミュニティーでも、出国の時期によってコミュニティが異なっているのではないかな。

 映画の名は「Saving face」、面子というようなニュアンスみたい。Alice Wuという監督。
 このコミュニティ内の若い女医さん、それがおなじくダンサーと恋に落ちる。ダンサーとは女のヒト。
 はじめはよくあるセクシャリティエスニシティのコンフリクトのテーマかと思ったら、このコミュニティ内の価値観のモンダイもおおきく関わってくる。

 この女医さんの未亡人の母親が妊娠。コミュニティーからは勘当状態で娘に頼る。
 なんとか夫を見つけなければというので(これ、ルナ・パパという映画でもおなじようなテーマが出てた)、出会い系っぽいデートを重ねる。
 結婚になんとかこぎつけるところで、意外にもこどもの父親は女医さんの男友達とわかり、結婚式の場で無理やりホフマンの「卒業」のパロディっぽくなる。

 そして二人の女のひとも障害を乗り越えてカップルとして認められる。

 ふ〜、とっても商業映画にはなりそうもないテーマだけど、そこは昼ドラっぽい運びもあって、エンターテーナー性も加えられてる。
(欲をいうと、もうちょっと掘り下げて欲しかったけどね、コミュニティのダイナミズムとか)


 (2006年の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて上映されていたことを知る)


             (2006/02/20)