”Drowning by Numbers(数に溺れて)”, Peter Greenaway, 1988、イ

祖母、母、娘の三代にわたってそれぞれの夫を溺死させるという、いってみれば怪奇事件ではあるが、冒頭からさまざまなゲームが飛び出してきてリアルさが宙に浮いている。
 これはべつにリアルさが欠けているというわけではなく、数のゲームなど、どこか別の世界の話のように響く。
 この殺人事件を覆う役目は友人である検死官が担っていて、このあたりには通常の痴情っぽさが漂う。
 しかしさいごには検死官も犠牲に供される。
 音楽は、マイケル・ナイマンで、ここにもふしぎな流れが露出している感じ。
 ことばにするのがもどかしい作品。