英国映画「Beautiful people」、Jasmin Dizdar 、1999、イギリス

イギリスはとくに都市部を中心にすさんだ雰囲気が街にみち、それは家庭内でも家族の価値観に支障をきたしている。
 若者は働かず、サッカーなどに浮かれ、ショービニズムが蔓延。
 そんななか、移民がしだいに増えつつあり、それも社会不安をあおっているが、ボスニアの問題により、そのあたりから避難民が舞い込んでさらなる問題をくわえる。
 ややドタバタ・タッチで始まったこの作品は、さまざまなひとたちを描き出し、モザイク風にみえるが、テーマからしてやがて重苦しい雰囲気につつまれてくる。
 しかしそんな自堕落な若者のひとりが、空港内にてボスニア行きの貨物のなかで寝込んでしまったことからボスニアにたどりつき、惨状を垣間見て、さらに自分も傷つき、眼に傷害をうけた子どもを連れ添って家庭に戻り、その性格は一変し、家族内、あるいは友人間でも際立ってしまう。
 監督は、ボスニア出身、カンヌにて、ある視点賞をうける。
(11チャンネルにて)

(30 of October, 2011)