米国映画"Invictus(『インビクタス/負けざる者たち』)",クリント・イーストウッド、2009、米国
かつて南アメリカはアパルトヘイトの国として世界から唾棄されていたが、牢獄から復帰したネルソン・マンデラが大統領に就いてから、すっかり一変し、活気のある国と変貌。マンデラの登場によって白人社会は今後に恐怖を感じたものの、マンデラは実際には是々非々の政策をとり、リベラルさを強調したため、のちにしこりがのこるようなことはなかったらしい。
しかしこの作品の見どころは、国民の統合の象徴たるラグビーへの傾倒ぶりである。
サッカーなどにくらべると、ラグビーはルールが難解だったりで、とくに貧困層には人気が乏しかったが、国民のアイデンティティをラグビーにひきつけるところの手腕がたくみ。
国民の統合の象徴といえば、ニホンの場合はたとえば天皇と皇室ということになっていて、その意味は分かりづらい。
かつてはお相撲であり、またはプロ野球の巨人およびそのアンチ派というところか。
じつは国民の統合というコンセプトにも禍々しいところがありそうだが、南アフリカという追いつめられた国家の場合はやむえないのか。
とにかくよくわからないところもないではないが、終わってみると、ビバ、マンデラ!!と叫びたくなってしまうのはどうしてか。
(22 of September, 2011)