カナダ映画「Incendies」、Denis Villeneuve、2010、カナダ

カナダに住む中東出身の母親と双子の娘と息子、その母親が亡くなったことで娘たちは故国への旅を余儀なくさせられるが、ひとたびパレスチナレバノンなどの国へ足を伸ばすと、母親の以前の経歴、あるいは怖ろしいまでの国土のありさまなど、度肝をぬくような展開が待っていた。
 原作はレバノン出身のカナダ人作家、語られているような事実があるのを知るか、知らないか、わたしたちには求められているような気がする。
 無知をきめこむことは可能か?
 原作はベストセラーで、この戯曲自体はニホンでもお芝居として上演されているようだ。
 そう、現実というのは怖ろしく、それにもかかわらずヴィジョンをどう抱え込んでいくか、唸ってしまう。

(21 of August, 2011)