米国映画「The Private Lives of Pippa Lee(50歳の恋愛白書)」、Rebecca Miller, 2009、米国

もう一度、ドキドキしよう.

宣伝用コピーはうえのとおりで、すでにニホンで公開済みらしい。

 主人公のおんなのひと、ピッパはつねに周囲に翻弄されるように生きてきた。
 それはたんなる被害妄想ではなく、いろいろなことを味わってきて、ときにはいくらか後ろめたい意識まで持たされるが、結果的には周りのひとたちのほうが、生きることを謳歌してきた。
 さいごには30歳年上の編集者と結婚し、すべては苦労なく生きてきたようにみえるが、その最後にきて、抵抗をこころみる。
 この歳になって恋愛に走るというのは、やや誇張されているようだが、つまりこれは自分探しでもあり、いままで踏み切れなかったものに飛び込んだという結果に。
 しかしこれも「人形の家」に対して魯迅が問いかけているように、家を出てからノラはどうしたのか、気になるところである。
 でもおんなのひとの美しさに歳は関係ないということもいえそう(おとこのひともそうだとおもうけど、だからひとの歳を聞くなんてナンセンス)。

(19 of June, 2011)