メキシコ映画「Presunto Culpable(推定容疑者)」、ロベルト・エルナンデス、2010、メキシコ
いわば見込み捜査のようなもので逮捕され、実刑をうけるにいたる。
警察側とすれば、なんとしてでも犯人をでっちあげなくては(もちろん、メキシコだけのはなしではないが)。
ひとたび、司法システムのなかで犯人としてでっちあげられたら、ひとたまりもない。
だれも助けてくれないし、まず、だれもが司法システムのまえで無力。
メキシコの刑務所には、そんな無実なひとたちがあふれている。
アクドイ奴らも、お金さえあれば、実刑から逃れることができる。
そんななかで無実の若者、殺人犯ということで二十年の懲役をうけた若者の救援にこころある弁護士たちがたちあがる。
だいたいが、この若者は掌に火器を発射した反応が出ていないのだから、犯人にしようがないものの、弁護側は、少しずつ事実を覆していかなければならない。
さいごには、判決は翻るが、あまりにもの大きな犠牲だともいえる。
この映画には場外乱闘もくわわる(笑)。
映画封切り後、司法システムが、本人の承諾なしに原告側の証人が現われ、話しているのは違法だということで、上映差し止めを要求、すったもんだのあげく、最終的には許可されたが、この騒動によって映画館へ足を運んだひとは数多く、近来めずらしい動員を記録したという。
DVDにて。
(20 of June, 2011)