アルゼンチン・メキシコ映画「Te extraño」、Fabián Hofman 、2009、アルゼンチン・メキシコ
70年代から80年代にかけてのアルゼンチンの軍事独裁政治、およびその犠牲者。
主人公の少年から青年への時期、家族の問題などもかかえつつ、叔母のいるメキシコへと亡命。
兄は行方不明者のリストに加わる。
この主人公は、製作者であるこの監督自身の問題でもあったが、35年という時間を通してようやくなにかしらヴィジョンを描き出せるまでに至った。
つまりそれだけ亡命、そしてこの場合は思春期特有の問題もふくむが、客観化するのが容易でなかったということ。
もちろん自分に降りかかってくる政治的後遺症から逃れるわけにはいかなかっただろうし。
シーンとしてはメキシコ大学の構内やらテオティワカンやらソチミルコなども出てきて、さながらノスタルジーのようなものも感じさせてくれるが。
でも内容は、どちらかというと極私的。
(2010/10/03)