フランス映画"Hadewijch", Bruno Dumont, 2009
パリの富裕な家のひとり娘は、すべての愛を神にささげ、すべての人間関係をうつろなものとみなす。
そんなときにイスラム系の兄弟と知り合い、弟は恋愛を望むが、兄はイスラムへの親和を欲し、神の概念の至上性を媒介にしてこの娘セリーヌは深入りしていく。
いまのパリにかぎらず、ヨーロッパ世界を語るときにイスラム系の存在を無視できないからだ。
しかしセリーヌは後戻りできないところまで追い詰められているのに気がつく。
以後、いったい神はいかなる眼差しをセリーヌにおくるのだろうか。
セリーヌの心の軌跡、しかし社会に生きるとき、心だけでは片づかない問題もあり、すべてがからみあっていかざるをえない。
不覚にもまるで神が創ったような物語だと一瞬、思ってしまった。。。これは褒め過ぎだろうか。
(2010/04/05)