米国映画"Where in the World is Osama Bin Laden? ", Morgan Spurlock, 2008


前作、スーパーサイズミーにより、マクドナルドをおちょくった監督による第二作。
今回はビンラディンを探すべく、中東を行脚するという構成。
マイケルモーアの好敵手とも目されるこのスパーロックは、今回は奥さんが出産を控え、子どもたちをむかえる未来というものについて深刻に考えた結果、米国がふかくリンクされている、いわゆるテロの主謀者とみなされるこの人物に迫ってみようということになった。
エジプトからはじまってモロッコイスラエル、パレスティーナ、さいごにはアフガニスタンパキスタンまでが訪れられる。
いろいろなひとの声を聞いてまわるが、どこまでもスパーロックのおとぼけ調が見え隠れし、深刻なシーンも登場するが、どこかおふざけ感がぬけず、それが鼻につくひとたちもいるらしい。
マイケルモーアにしろスパーロックにしろ、いい意味にもわるい意味にもアメリカンジョークというものに染められていて、どっぷりと考え込むと、ああでもないこうでもないと思ってしまうが、それでもひとを惹きつけるちからがじゅうぶんにある。

つまり米国とイスラムの腐れ縁はすでにかなりのものになっているし、それをことばで言い現すのは容易ではないが、米国にとってはビンラディンの存在のみで単純化してしまおうという魂胆である。


(2010/03/28)