イギリス映画"An education", Lone Scherfig,2009

60年代初頭のイギリスはロンドンの中流家庭の一人娘ジェニーは高校生。
フランス文化、とくにジュリエット グレコあたりの唄に心酔。
女子高で、仲間とタバコをふかしながら、勉学にもはげみ、ラテン語などがつよい。
オックスフォード大をめざす。

しかし突然、30代のおとこ(紳士風)とかかわり、しだいに深みにはまっていく。
その中流家庭は、きわめて凡庸でジェニーは嫌気がさしていて、香気ただようおとこにのめりこんでいき、進学もついには二の次に。
しかしこのふたりが結婚にいたろうというところで、おとこが妻子もちであることがわかり、ジェニーは奈落の底へ。
高校の関係者とも縁をきっていたが、俄然、いわば一浪後のオックスフォードをめざす。

この作品、おおいなる年の差を越えてのゴールインがテーマかとずっと思っていたが、どんでんがえし。
これは実話であり、転回後のジェニーの奮起がステレオパターンにしか描かれていない。

ひとはすべてを喪ったあとでも、そのこころさえあれば取り戻せるのだ、というようなメッセージで、たとえばスコセーシの"レイジングブル"などにも共通するかもしれない。
がんばるところには、共感がもてるが、構成がやや説得力にかける。
誘惑の甘美さを思い切り描こうとしたならば可であるが。

えへへ、すっかりねたばれになってる。
二ホンでは"17歳の肖像"というタイトルで4月から上映らしい。

(2010-03-04)