モンゴル映画"モンゴル"、セルゲイ・ボドロフ、モンゴル、カザフスタン、ロシア、ドイツ、2007

 

ジンギスカンを描いた歴史ロマン、こういった歴史物はあまり好みではないのだけれど、メキシコにてようやく公開、二ホンではずっとまえに公開されているらしい。

ジンギスカンといっても、その幼少、思春期、青年期のはじめが描かれているだけで物足りなく感じるが、ほんらいは三部作のはじめらしい。
それでも端折ったようなところがずいぶん目につく。

ロケ地は本来の場所にかなり忠実らしいが、一般的にモンゴルというとわたしたちは平原しか思い浮かばない。
この作品のように山あり森ありというとちょっとイメージがへんな気もするが、じっさいそうなのだろうか。
しかも闘いというのは、あくまでも生産力と関係があると思うのだが、歴史的にみて、騎馬という移動性、機動性抜群のモンゴル人たちがかくも歴史に参画したというのは、いまでも説明を欲してしまうところ。

しかもこの作品のもっとも鼻につくところは、現代的価値感、つまり盟友やら兄弟、夫婦といったもののコンセプトが紛れ込んでくるが、そんなはずはなかったと思う。
つまりロマン主義の洗礼をうけていては、歴史物の価値など見いだすことができない。

まず、歴史のおさらいをしてみなくてはならないな、と思い立たせる意味では、ポジティブな作品かもしれない。


(2010/02/12)