米国映画「Julie & Julia(「ジュリーとジュリア」)」、Nora Ephron、米国、2009

戦後まもなくのフランスにてフランス料理をおさめたジュリア(メリル・ストリープ)と、ニューヨークにて、やや浮いてしまった若い女ジュリーのフランス料理修行が、対位法的に並べてある。

 ジュリアのパートは、古き良きパリにて、ことばに苦労しながら学んでいくところを、メリル・ストリープがややおもしろおかしく演じながら見せてくれる。

 ジュリーのパートは、NYにてまわりは成功への道をひた走るなか、料理ブログにはまってしまった女の悲喜劇。

 どちらの女にも理想的なパートナーがいるが、ジュリーのほうが、夫婦生活よりブログのほうに入れ込むということで危機をむかえ、身につまされるかたもすくなくないはず(笑)。

 (フランス)料理を通してのおんなたちの自己表現ということで、おそらくカルト的映画といってもいいかも。
 まあ、ハッピーエンドっていうところか(シニックに形容)。

 フランス料理なんて世界のどこでも最高級で、それぞれ料理人がいると思われるが、じっさい、米国のようなところへ浸透してきたのは、それほど古いことではないのかもしれない。

 まあ、フランス料理だけでなく、米国でメキシコ料理がどう受け止められていったか、なんてヴァージョンも考えてほしいもの。
 Agua para chocolateなんてのもあるが。


                 (2009/10/25)