ポーランド映画「A Short Film About Killing(「殺人に関する短いフィルム」)」クシシュトフ・キェシロフスキ、ポーランド(1988)

少壮の弁護士、タクシーの運転手のおじさん、それに行き場のないような若者、おなじ一角に住んでるようなこの三者が微妙にからみあう。

 なかば衝動的に若者はタクシー運転手を殺害し、弁護士が弁護する。

 若者は自分の罪がわからないほどなのに世間から糾弾され、死刑の判決をうけ、死刑反対のこの弁護士が、若者の人間的な側面に寄り添っていく。

 戯画的に受け取れないこともないが、窒息しそうな、ひとりが他のものにかかわらずにはいられない、そんな社会を描く。


(2009/08/14)