トルコ映画「Three Monkeys (Üç Maymun)」、Nuri Bilge Ceylan、トルコ(2008)
男は政治家の運転手を勤めていて、政治家がひき逃げしたために罪を担うように説きつけられる。
九ヶ月のあいだ、妻と息子である青年の暮らしは保証されている。
息子はあまり活動的でなく、車の購入のために妻は政治家に交渉にいく。
しかしやがて妻は政治家と関わりあっていき、それを知った息子にはげしく叱責され、釈放されたのちの夫にも攻め立てられ、立つ瀬がない。
家庭に閉じこもり、狭い世界のみに棲んでいた妻は、政治家との逢瀬にわれを忘れるが、それも政治家にとってはほんの出来心、妻のみが翻弄され、家庭の悲劇へと突っ走っていく。
見方によってはかなりフェミニスト映画と受け止められる。
夫も息子もけっして理解を寄せようとはしない。
よく利用する、いわばシネコン・ルミエル・レフォルマというここは、ホールが四つあり、イスラムものの上映を三本抱えている(上映作品は計五本)。
世界のどこともおなじく米国映画に席巻されるメキシコであるが、じつによく健闘していると思われる。
(2009/06/14)