米国映画「The Girl in the Park」(2007)


・「The Girl in the Park」David Auburn,米国(2007)

 主人公のヤンママ、ジュリアを演じるのはあのシガニー・ウィーヴァー。
 三歳の娘をセントラルパークにて失う。
 以来、トラウマと罪にとらわれ、家庭から離れる。
 キャリアウーマンとして身をたてながら、そのトラウマをひきずったまま十六年ほどがたつ。
 そんなとき、自堕落な若い女と知り合い、自分にも不可解なまま、この女にのめりこんでいく。
 それはちょうど死んだ子の歳を数えるといった具合。
 その女の存在はジュリアにとってはフィクションそのもの、しかしだからこそもしかしたら、と思ってしまう。

 元夫は子連れ再婚によりべつの家庭を築き、息子も自分の家庭を持とうとしている。
 実体のある家庭とフィクションによるジュリアの共棲が対比をなす。
 いつしかジュリアは、この女がやはり娘ではないということを知って、フィクションに別れをつげ、べつの生き方を選べそうな雰囲気にいたる。

 かつてはトロント映画祭にて喝采されたが、ニホンでは公開されずに終わってしまったらしい。

 スペイン語タイトルは「Reconstruyendo mi vida」,わたしの人生を再構築する、といったところ、そのものずばり。


(2009/05/24)