メキシコ映画「El carnaval de Sodoma(「ソドムのカーニバル」)」(2006)
・「El carnaval de Sodoma(「ソドムのカーニバル」)」Arturo Ripstein, メキシコ、2006
原作はドミニカ共和国の作家、しかし舞台はメキシコシティのチャイナタウンの袋小路に営まれていたらしい売春窟。
ソドムやらカーニバルとくると、おどろおどろしい内容を予想してしまうが、じつはただの吹き溜まり。
場所柄からしてその種の女性も目立つが、かつての望みを喪った(あるいは望みの残骸だけで生きながらえているような)ひとびとの吹き溜まり的舞台。
そんな退廃的、どん底的状況も、リップステインの職人芸にかかると、退廃の美がきらめいてくる。
それが新参者の登場ですべてのバランスが崩れてしまう。
(2009/04/20)