スウェーデン映画「Det sjunde inseglet(「第七の封印」)」(1957)
・「Det sjunde inseglet(「第七の封印」)」イングマール・ベルイマン、スウェーデン(1957)
あの中世、あの十字軍、あの黒死病。
歴史に未来はあるのか、自分に生きのびるべき未来は与えられているのか、そんな具合にすべてに懐疑的にならざるをえない世界。
しかしすべては神の存在あってこそ救われる、神さえいればすべてに堪えられるはずなのだ。
死と向き合うときさえ、すべてを信じたい。
もちろん中世にもおおくの、さまざまなひとたちがいたわけで、日々を生きていくやり方もそれぞれだったにちがいなく、ここでは対位法的に描かれる。
ベルイマンの作品はいくつか見たことがあるが、やはり抜けているものもそれなりにある。
ベルイマンのことを話し合ったこともある。
ずっとむかし、留学生試験の帰りでのことで、マスターのひとりのおんなのこ、卒論を書いているおとこのこの三人で、このおとこのこが主に語った。
ベルイマンの映画をみて、夜中に天井をみてあれこれ考えていると眠れなくなるとかいう話だったと思う。
神とか沈黙とか孤独だとか、ニホン人にはあまり馴染みのないコンセプトが話し合われていた。
もちろんわたしは聞き役で、じつは映画のことを日常的に深く考えたことがなかったものだから、それについてあれこれ考えさせられたものだった、と思う。
とにかく、きりがないからなんていいながら、打ち切ってしまうことは避けたい。
(2009/03/08)