香港映画「2046」(2004)
・「2046」ウォン・カーウァイ(王家衛)、香港・中国・フランス・ドイツ、2004
主人公(トニー・レオン)がすべてを語っていることになるが、じつは作中人物もひとり歩きしていて、SFのような趣もあるのかと思っていると、記憶とかが打ちだされてきて、内面のくぼみのようなものが描かれているのを知る。
ひとたびそんな構造に思いをいたせば、主人公の身辺やらその思い入れにひたすら沈潜していけばいいので、惑溺にまでいたることができる。
Copula、またはヴァイオレンスもたびたびお目見えするが、より覚醒した気持ちで眺めていることができる、なぜなら観る者は、時間の外にいるようなものだから。
メタフィクション映画、あるいはパーソナルムーヴィーと名づけることもできるはず。
TV22チャンネルで放映。
(2009/02/23)