フランス映画「 LA FILLE COUPÉ EN DEUX 」(2007)

・「 LA FILLE COUPÉ EN DEUX 」Claude Chabrol,フランス・ドイツ(2007)

 いまをときめくリュディヴィーヌ・サニエが演じるおんなの世界。
 リヨンにてのお天気予報屋さんで、見栄えがよくて人気がある。
 初老の作家に見初められて不倫の世界へと突き進む。
 いっぽう、お金持ちの御曹司からも追い求められる。

 タイトルは、ふたりのおとこのあいだのおんな。
 よくある三角関係を扱ったもの。
 サニエ演じるおんなも、作家のほうにより憧憬を感じるが、これらの関係のあいだで揺れ動く。
 その描き方も、映画職人としてのシャブロルは、同世代のゴダールやらトリュフォーといった人物たちと比べると、カルト性もカリスマにも欠けているが、その手際のよさ、動かし方は秀逸。

 しまいに、サニエと結婚した御曹司は、初老の作家を殺害するにいたる。

 紆余曲折のはてに、サニエはひとりで生きることを余儀なくされ、自分のちからを自覚していく。
 おんながいかに転進していくかを描いたものにいたる。

 御曹司の役は、あの「ピアニスト」の音楽学校の男の子。
 生意気そうだが、ダンディでもある。
 (わたしもだれかに「生意気だ」といわれてみたいものだ)



(2008/12/01)