フランス映画「Le Train(「離愁」)」(1973)
・「Le Train(「離愁」)」、Pierre Granier Deferre、フランス、1973
なにがおかしいって。。。
深夜、22チャンネルで映画でも観ようかと思った。
Le Trainというタイトルのジョン・フランケンハイマーの作品。
バートランカスターやらジャンヌ・モローらが出てきて、第二次大戦中のフランスでの列車の話だという。
邦題では大列車作戦とかいう。
しかし始まってみると、あれ? 出てるのはロミーシュナイダーらしい。
ジャン・ルイ・トランティニャンらしい男もいる。
でも、たしかに列車が走ってる。
小首をかしげた。
あっ!
フランケンハイマーの映画もLe Trainならば、このロミーシュナイダーの映画も、原題はLe Trainという。
しかし邦題を聞けばうなづいてくれるひともいるかもしれない。
「悲愁」(1973)という。
監督はPierre Granier Deferre。
おなじ原題、おなじ列車物語、ということでTV局のひとがまちがえたんだ。。。ニホンだったら処分されるくらいだろうけど、やっぱり、ここは呑気だね。
さて、話は、ドイツが迫ってくるフランスでは避難列車で南へとのがれるひとたちでごったがえす。
身重の奥さんと別の車両を割り当てられてしまった男(近視のため兵役は免除)は、たまたま隣同士になった若い女と次第次第に仲良くなっていく。
難民列車にちかいわけで、乗り合わせたひとたちのなかには、ニンゲン悲喜劇がうまれ、そんな背景でこのふたりは引き込まれていく。
ロミーシュナイダー演じるこの女はドイツ人であるが、ユダヤ系であるために逃げ場をもとめている。
はじめはそんな事情にうとかった男はさらに近づいていく。
世間の良識のある奥さん連中は、まあ、なんて破廉恥な映画ざまあすこと、とか一笑にふすかもしれないが、愛に引き込まれるときは、もはや理性など縁がないらしい。
離れ離れになりながらも、男は出産をすませた奥さんにようやく再会、その機に女は消え、しばらくのドイツ占領下のフランスにて時がすぎる。
すると、突然、かつて女に手伝ってあげた偽書類のことで男は呼び出される。
女はレジスタンス関係にかかわっていたので、かつてのつながりが知られるとただではいられない。
しかし男は認めてしまう。
奥さんや家庭があって、それで女のほうはその後、音沙汰なかったのに、過去に引かれてしまうというこの男(ジャン・ルイ・トランティニャン)は、絶対にCoolじゃない!
こんなに不器用に立ち回るなんて。。。
でも、こんな話にひとはナミダしてしまうものみたいね(笑)。
(2008/10/20)