ドイツ映画「Im Juli(「太陽に恋して」)」(2000)
・「Im Juli(「太陽に恋して」)」Fatih Akın、ドイツ(2000)
ダニエルというハンブルグの若い物理の教師は、どっちつかずな、あいまいな、内気な暮らしをおくっている。
夏休みにはいるのに、これといったすることがない。
しかしたまたま知り合ったアクセサリー露店の女のこと絡みかける。
パーティー関係でトルコの女のことも知り合い、運命のおんなと思い込み(そう思わされもし)、わざわざトルコまで帰国したその女のこを追い求めていくことにする。
そのめちゃくちゃな道中には、アクセサリーの女のことはぐれたり、めぐりあったりする。
東ヨーロッパを縦断、ドイツとはことなった風景やひとや社会でみちていて、その段差も印象的。
そのほかにも雑多な出会いと別れがあり、このロードムービーは、一環した筋があるようにみえて、意味不明な行路をたどる。
パスポートも、ついにはお金もなくなる旅。
しかしついにはトルコにて女のこに偶然、出会うが、じつは運命のおんなではなくて、はじめて再びでくわしたアクセサリーの女のこの想いを理解する。
そのへんにある解説に目を通すと、なるほどなるほどと納得するが、観ているあいだは、解き明かせないことがおおく、それだからこそインパクトがおおきかった。
この作品、じつはすでに一昨年ニホンに紹介されているらしい。
監督はトルコ系ドイツ人。
メジャーではないドイツ人が、周縁を意味するトルコ娘に惹かれるのが意味深。
ニホンだったら、フィリピーナにどうしようもなく惚れてはるばる追いかけていく、といったところだろうか。
これ、ロードムービーであるわけだが、じつをいうと本日、ティム・オブライエンの「カチアートを追跡して」を読了。
そちらは、ヴィエトナムからパリ、こちらはハンブルグからイスタンブール。
ある意味で逆方向。
単純化はできないが、米国人とヨーロッパ人のメンタリティのある面が出ているのではないかと気になる。
(2008/09/28)