米国映画「The Darjeeling Limited (「ダージリン急行」)」(2007)
・「The Darjeeling Limited (「ダージリン急行」)」Wes Anderson、米国(2007)
誤読の権利なるもの。
昼間、機器の調整に戸惑い、やや始まったところから見て、やや合点がいかない感じ。
それでもいま、冒頭あたりを見回して、ようやく全体の仕組みが納得できた具合。
それにしても、はたしてロードムーヴィーか、それともアンチ・ロードムーヴィーか、などということを考える。
なぜなら、客車のワゴンでの三人のやりとりが、室内劇風であり、ロードはただの風景であるかもしれないと思ったから。
とはいえ、ところはインドである。
生半可なカルチャーショックですむわけにはいかない。
ところが、ひとり旅ならまだしも、複雑な関係をふくむ三人組ということで、このふたつの要素をどう読み取るかが、ずっと背中にかぶさってくる。
この三人兄弟の再生の話、はたして他の土地であったならば、いかなり展開をもちえたであろうか。
たとえばおなじようにエキゾチックな土地であるモロッコの場合を考えてみると、エキゾチックではあるが、その土地は主張にとんでいるわけではないから、三人兄弟のなかにどこまで踏み込んでくるかが疑問におもえる。
欧米人が、インドからなにを得るか、それは長い歴史をはらんだストーリーである。
さいわい、この三人は、おのれの価値観が相対化されることによって再生を得るにいたったようだ。
(2008/06/26)