アルゼンチン映画「Buenos Aires 100 Kilómetros」(2004)
・「Buenos Aires 100 Kilómetros」Pablo José Meza、アルゼンチン・フランス・スペイン(2004)
タイトルの通り、ブエノスアイレス市から百キロほど離れた田舎町、そこで思春期のおわりをすごす五人の少年たちの生の移ろいを描いたもの。
五人の少年が集まり、いろいろなことをして、町の顰蹙をかったりする。
しかし意外にも、それぞれの家庭ではかなり親に従順。
古いモラルがまだ生きているということらしい。
もちろんブエノスアイレスの連中にたいしては、コンプレックスを抱いている。
少年たちは、おんなの子のこと、セックスの目覚め(生ぬるいが)、自分の可能性についての思い、などで懊悩するが、それでも仲間で共有することで楽になっている。
しかし、互いの親の素行などなどで仲間割れの危機にもおちいる。
親への反抗も、それなりに萌芽をみせる。
さいごはハッピーエンドで仲良しこよし。
しかしながら、その少年期はすでに去ってしまったもので、ふたたび戻るわけではない。
そういったほろ苦さ(そしてもちろん、さわやかさ)があとに残される。
かつての藤田敏八といったニホンの監督にも共通しそうな話。
22チャンネルにて。
(2008/05/24)