米国映画「Ira and Abby」(2007)
・「Ira and Abby」Robert Cary,米国(2007)
NYの裕福な階級の子弟、おとこのイラは、いわゆるニート兼パラサイト。
心理学のドクター論文執筆とかいうはなしであるが、優柔不断で自分のことをなにも決定できない、いわばノイローゼ患者。
おんなのアビーは、イージーゴーイング、なんでも試してみなくてははじまらないというオプティミスト。
ジムにて営業のような仕事をしている。
このふたりが出会い、早々と結婚するにいたる。
ふたりにとって、新境地ともいうべきもの。
すべてはうまくいくかのように見えた、親たちも気があったし。
しかし、アビーは過去二回の結婚歴もあったし、その八歩美人ぶり、その魅力にイラは妬く。
ふたりの親のあいだにも不倫が勃発して、すべては泥沼的な様相へ。
NYによくありがちのように、諸問題をあつかうためにそれぞれが自分のセラピストやらカウンセラーを連れてくるから、合同の話し合いはなにかの総会のような始末。
けっきょく、いまのNYでのカップルの行き着くところといえば、理解しあっての離婚、というのがベストであるらしい。
ラブコメディと銘打ってはあるが、ひと皮むけば、じつに深刻な問題をふくんでいる。
しかしながら、こんなNYのどうでもいい問題にかかずらっていられるほど世界はのんびりと動いているわけではない。
期待することなく観て、やっぱりこんなものかと思って、がっかり。
まあ、こんな問題であっぷあっぷしているひとたちがいるってことは理解できるけど。
ニホン公開は未定らしい。
(2008/05/19)