フランス映画「Le Cri de la soie(「絹の叫び/フェティシズムの愛撫 」)」1996

・「Le Cri de la soie(「絹の叫び/フェティシズムの愛撫 」)」Yvon Marciano 、フランス、1996

 第一次大戦の前夜、精神病院にてある若い精神科医が、若いおんなのフェティシズムに注目する。
 お針子娘にちかいこのおんなは、男にたいしてよりも絹の感触に性的オルガズムにいたるのであり、絹の衣服への盗癖もつよいために、精神病院に収められていた。。

 精神科医は、フロイトユングと時代を分かち合いながら、このフェティシズムの研究にのめりこんでいく。
 その途上、この若いおんなにも惹きつけられていく自分を見出す。
 しかし、この精神科医には、おんなの助手兼家政婦も同居しており、やきもきした日々をすごす。

 研究は第一次戦で中断、精神科医はアフリカの戦線にて負傷し、意外にもイスラム女性のベールに興味を抱き、民俗学的にも貴重なコレクションを築く。

 帰国後、研究を再開、しかし、眼疾にも悩まされる。
 著作へのプレッシャーにも悩まされ、手術は失敗し、闇の世界に閉ざされる。
 自暴自棄になる日々、しかし助手は献身的に尽くす。
 ふたたび若いおんなは精神病院から解き放たれてくるが、絶望の精神科医自裁したあとだった。

 じっさいの精神科医に材をもとめているとかの話で、やや散漫なところがあるのは、実際の生をむき出しに提出されているようで、あまり気にならない。
 豊富というわけではないが、エロティズムが多く描かれ、それも精神医学からみで、じつはどんなにエロティズムがやばいものかも、察せられる。要注意!

 精神医学というと、たいていはオーストリア系とかが主流で、フランス、あるいはイタリア(講演旅行がふくまれる)が描かれるのは貴重。

 DVDで見た。ニホンでもDVDはあるらしい。


(2008/05/17)