メキシコ映画「Partes usadas(「中古オートパーツ」)、2007

・「Partes usadas(「中古オートパーツ」)」、Aaron Fernandez,メキシコ・フランス・スペイン、2007

 叔父のハイメとまだ中学生の甥のイバンは、自動車部品仕入れ関係の仕事をこなすが、うだつがあがらず、先はみえている。

 ふたりは、米国にイリーガルでわたって一旗あげようと望む。
 道案内のポジェロが案内料をつりあげてきたため、この際、手段にはこだわっていられないと、オートパーツのかっぱらいをはじめる。

 メキシコは自動車そのものの盗難も多いが、おなじくオートパーツも巧みに盗まれる。
 シティでは、ブエノス・アイレス区の修理屋さんが組織的に盗難を実行しているというので、官憲の手入れがはいることがある。
 この作品は、べつの地区、ペラルディージョ区で撮られたらしい。
 ウチの車もドアをバールでこじあけようとした痕がいくつか残っているので、ひとごとではない。

 この中学生は、犯行をエスカレートさせ、仲間の中学生も仲間にいれる。
 叔父のほうは、イバンをはじめに連れていくという計画をあらため、恋人を優先する。
 これでイバンは裏切られた思いにかられ、叔父と喧嘩別れ。

 しかし、盗難活動のなかで、イバンは仲間の中学生を事故死させる。
 イバンは、頼るものもすでになく、叔父のお金を盗み、単身、米国にわたる。

 まだ子どもっぽい中学生が、大胆な犯行を繰り広げていくなか、その思春期の哀しさを感じさせるし、あるいは、いわゆる少年法のことも考えさせる。


(2008/04/27)