メキシコ映画「Mas que a nada en el mundo」(2006)


 ・「Mas que a nada en el mundo(世界でこれほど)」、Andrés León Becker、Javier Solar、2006, メキシコ

 若い母親と7歳の娘は、アパートに引っ越す。
 両親が仲たがいして、別居ということになったのだ。
 若い母親は、じゅうぶんに魅力的で、男ともだちが訪れだしたところで、娘がむずかるようになる。
 母と娘の葛藤はふかまるばかり。

 娘は、すべての元凶は隣に棲む、怪しげな老人のためで、ヴァンパイアにちがいないと信じ、がっこうでも仲良しの女ともだちとその話に夢中になる。
 その老人は、ガン末期患者ですでに世をはかなんでいたのだった。

 母と娘のテンションは高まるばかり。
 しかし、あるとき、娘は老人の部屋にもぐりこみ、寝込んだその胸に十字架を残し、これですべてがすんだと納得する。

 母親のほうも、ここにきて諦めがつけたようで、娘へ気持ちを集中でき、ふたりで海へとバカンスに出る。

 話はいちおう、練られているものの、よくありふれた話でしかないようにも思える。
 このふたりは、ちいさなコンフリクトを今後も経ながら、前へと突き進んでいけるのだろうか。



(2008/03/29)