米国映画「Eastern promises(イースタン・プロミス)」(2007)

・「Eastern promises(イースタン・プロミス)」、David Cronenberg、2007, 米国

 渋く、苦くもある映画職人ともいうべきデヴィッド・クローネンバーグが、ロシア・マフィアに挑む。当然、世界的に注目される。
 ロンドンもひと皮むくと、ロシア・マフィアの暗躍、背景としての移民社会化など、怪しげな世界がひろがる。

 演じるのも、ナオミ・ワッツヴィゴ・モーテンセン、いくつかフランス映画でお眼にもかかったヴァンサン・カッセルと渋さが目立つ。

 しかし、話はロシア・マフィアだけあって残虐さが目立ち、鬱屈するほど。
 おとこの孤独、というよりも孤高さ、寄る辺のなさまでがにじみ出てくる。
 救いといってよければ、ナオミ演じるところの幼い命にかかわる部分。

 職人芸は健在であるが、それほど感銘はあたえられないと思う。


(2008/03/24)