イスラエル映画「Promised Land(約束の地)」(2004)


 ・「Promised Land(約束の地)」、Amos Gitai, 2004, イスラエル

イスラエルきっての社会派映画作家アモス・ギタイの問題作。

 東ヨーロッパから仕事をもとめて、非合法にパレスチナからイスラエルに浸入する若いおんなたち。

 国境でのコヨーテ的マフィアの手におち、はては売春という人身売買の組織にしばりつけられる。
 国境をわたると、それこそ競売のようなかたちで、むきだしのからだをさらされながら、ひとりひとりの価格が、組織の女性の手でセリにかけられる。

 前半のこの、イスラエルでの女性売春のインパクトが強烈で、後半のおんな同士のストーリーへの関心がややおろそかになる。自己反省。

 イスラエルでの、建前と本音。
 自己と(敵対的)他者の関係の構図ばかりで成り立っているようなイスラエルの国際関係だが、その構図を乗り越えたところにいったいなにがあるのか。


(2008/03/22)