イギリス映画「贖罪 つぐない(Atonement)」、(2007)


イギリス映画「贖罪 つぐない(Atonement)」、Joe Wright,
(2007)

 原作はいまをときめく、イアン・マキューアン
 第二次大戦前のイギリスの地方の裕福な家族での愛の物語である。
 しかし、その愛をめぐっては、はじめは少女として登場する語り手によってすべてが、めぐりまわり、もちろんこの少女自身もその渦に巻き込まれる。
 この少女の罪は、その後も生き方を支配していくわけで、その点ではこのあいだの、The kite Runnerにも通じるところがあるといえる。

 しかし、以上のような内的ストーリーにくわえて、映像の美しさにこころを奪われる。
 例によってまったく予備知識なしに観たために、じつはストーリーについていくのはたいへんだった。
 しかし、迫力のある、典雅なイメージの連続にため息をつかずにいられなかった。

 大作である。
 絵巻である。
 しかし、主人公の少女のこころのなかを思いやると、傷つきやすさにもみちた、可憐な作品だともいえる。


(2008/02/10)