台湾映画「黒眼圏(黒い眼のオペラ)」(I don't sleep alone)(2006)
「黒眼圏(黒い眼のオペラ)」(I don't sleep alone),蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)、台湾(2006)
タイペイあたりの街だと思った。
荒れ果てた街というイメージで、植物人間のような若者、それに賭けで瀕死の状態に陥る別の若者の看病をする男。
ことばがすくなく、静かな長回しがつづくので、意図がどうも読み取れないまま前半ぐらいがすぎる。
植物人間の世話をするのは店の若い女。
アルモドバルのトーク・トゥ・ハーを思い出せる。
たいしたことは起こらない。
登場人物たちの貧困さも目立つ。
しかし終盤にむかってお互いをいたわるような雰囲気があきらかになってきて終わる。
なんと静かな作品だろう。
しかしウチで調べたら舞台はクアラルンプールであることを知る。
タイペイにしては外国人が多いなとは思ったが。
しかもこの監督の他の作品、「ふたつの時、ふたりの時間」を見たことがあるのを思い出した(スペイン語名は「Que hora es all?」)。日記にも綴ったことがあったと思ったがなぜか見つからない。そちらの映画のほうがアクティヴで感心させられたが、たしかに語りのトーンは似ている。
ちなみに第七回東京フィルメックス映画祭とかいうところで上映されたことがあるそうな。
(2007/11/25)