米国映画「アンビリーバブル」(IT’S ALL ABOUT LOVE)(2003)

・「アンビリーバブル」(IT’S ALL ABOUT LOVE)トマス・ヴィンターベア、米国(2003)

主演がホアキン・フェニックスクレア・デインズ、それにショーン・ペン
 オリジナルタイトルが示すように、異常気象での地球の危機のなか、愛の復活を試みるカップル。
 先進国では急激な寒冷化、しかも愛の欠如による心臓疾患での死亡(調べるまでよくわからなかった)、そんななかで、国際的すれ違いカップルが離婚の一歩寸前で愛の復活に挑む。

 冒頭はカフカの「審判」タッチで、わるくはなかった。
 しかしあまりにも一貫性がなく、すべてに中途半端。
 近未来が舞台で、その未来像があまりにも中庸。
 アフリカでも異常が起きていることが伝えられるが、それも中途半端。
 このすべてにおいてでの中途半端さが、不気味さに変わるようなことがあれば、それはそれなりに説得力を得るが、そこはヒロインらのストーリーにむげに集約されてしまっている。

 脚本段階でのミスがあきらかに感じられる。
 おなじく監督の近未来へのイマジネーションの不足が決定的。 
 どうすればこの作品は救われるものになるのかをしばらく考えていた。

 この作品、ニホンでは公開されていないようだが、DVD等でわりと見られている模様。
 わたしが観たのはTV22チャンネル、ふつうはこの程度の作品は放映しないはずなのだが。


                   (2007/11/11)