キューバ映画「Guantanamera」(1995)

 ・「Guantanamera」、 Tomás Gutiérrez Alea、Juan Carlos Tabío、1995、キューバ、スペイン


伊丹十三に「お葬式」という作品があったが、これはさしずめ、キューバ版「お葬式」。
 埋葬に官僚主義がからんでくる。そこに、死にかぶさるようにしてラブストーリーもまじる。そしてロードムーヴィー調。
 
 いまから十年以上もまえの話。注意をうまく払っていると、いたるところにキューバ自己批判が垣間見える。

 挙句の果ては、秘めた愛が官僚主義に打ち克つ、というような、ちょっとビミョウな味わいが隠されている。

 埋葬行政のほかに、ロードムーヴィーだけあって、キューバの、とくに地方の交通というものがクローズアップされている。短くいえば、ヒッチハイク的な、乗り合いを基にした移動習慣といったもの。

 ちなみに、「低開発の記憶」、「イチゴとチョコレート」の監督でもあります。


             (2007/05/27)