イタリア映画「赤い砂漠」(1964)

 ・「赤い砂漠」、ミケランジェロ・アントニオーニ、1964、イタリア

アントニオーニは、60年代を見事に描いた監督であった、と言い切るとカッコよく見える。
 わたし自身、そのいくつかは観て、ほかのいくつかは観てはいないのだが。

 太っ腹で陽気なイタリアという、ステレオパターンを突き崩すようなイタリアのイメージももちろん存在しうる。
 孤独に、ニンゲン関係に、愛に悩むイタリアももちろんある。
 イタリアは物騒であるだけではない(笑)。
 工場地帯もあれば、公害もある。労働運動ならイタリアに任せておくれ。

 そんななかでモニカ・ヴィッティが悩む。
 公害企業に、実存的悩み。
 そして南米に輸出される公害企業。

 観ながら、モニカ・ヴィッティと一体化することを夢みてくる。しかし、一体化したからといって、なんの問題の解決にもなっていないことを同時に知ってしまう。

 つまらない映画だが、おもしろい映画(笑)。



             (2007/05/21)