米国映画「Nacho libre」(2006)

「Nacho libre」Jared Hess、米国(2006)

 始まってすぐ録音がちょっとマズイような気がした。こもったスペイン語。でも考えるとこれは米国の映画のはずで、英語ではなかったのか。
 はあ、どうやらスペイン語吹き替えらしいと気がつく。
 でも、また考えるとこれってオアハカ、あのオアハカのド田舎、なぜ英語で話されなければならないのか、と再び考え込む。
 あまり表舞台には出てこないが、貧困が色濃くにじみ出ている地域であり、しかもそれにはしかじかの理由もある。

 ストーリーはごくごく単純。それこそだれにでも愉しめる。
 なぜプロレスはそれほど人気があるのか。覆面レスラーになぜあこがれるのか。パフォーマンス性があるからにちがいない。
 ここで思い出すのは「シコ踏んじゃった」の映画では、プロレスは批判され、お相撲こそがほんとうのスポーツという扱いをされていた。
 ここでは、あの貧しいオアハカでの夢の象徴にもなる。
 このロマンは英雄待望論か。ブレヒトが語ったごとく。

 プロレスといえば力道山
 ブラッシーやらカールホーンやら。。。あの時代には覆面はヒットしなかったけど。。。あとになればタイガーマスクとか。

 それでプロレスにあまり縁のないわたしも、ニホンの甥っ子関係で今回、プロレスの覆面をななつぐらい買ってしまった(爆)。

 そうそう、登場人物の冴えないおやじさんを見ていると、それに負けてもけっこうなお金をもらえるのを観てると、わたしまで色気を出してしまいそう。
 それなりにおなかも出てるし(獏)、自分で言うのもなんだけど、プロレスに向いた体型だと思うな。
 ちかくの運動公園の裏手でリングがあって、練習してるのを見てたことがあるけど、まず打たれ強いからだにしなければいけない。技こそが見せ場だけど、相当のきついことにも堪えられるようにしておかないとまずいんだろうな。
 ふむ、すぐ乗っちゃうタイプだから、覆面をつけて悪役でリングに登ってみたいな。でも、ドサ回り専門でいいけど。


             (2006/12/19)