アルゼンチン映画「Sol de otoño(「秋の日」)1997
「Sol de otoño(「秋の日」)、Eduardo Mignogna、1997、アルゼンチン
若くないものたちのレンアイ。
このあいだもElsa y Fredという作品があったが。
こちらの作品は、ノルマ・アレアンドロとフェデリコ・ルッピというアルゼンチンを代表する二大名優の出演ということで見逃せなかった。
ノルマが一人暮らしのユダヤ人の中年過ぎの女。満足しているつもりでも、どこか物足りなさをジンセイに感じているのか。パートナー募集という広告を出し、現れたのがフェデリコ。このひと、あっちこっちの国でも出てて、あんまりいい印象を持ってなかったが、この作品に関するかぎり、枯れた味わいがよく滲み出していた。
パートナーはユダヤ人でなくてはならないことになっていたが、フェデリコはユダヤ人ではないというのがばれる。
しかしノルマのNY在住の兄弟が訪れるということでシンパイをかけないように偽装結婚をしなければならない(あの「ウイスキー」とおなじ成り行き)。
この二人、行き違いはあるものの、それに離反も含まれるものの、それでも近づいていく。
ノルマの属するアルゼンチンのユダヤ人コミュニティーはやはり狭い、閉ざされた社会でフェデリコは順応するのに苦労する。
さらにノルマのほうが暮らしのレベルが上で、フェデリコのほうはちょっと居心地がわるい。
それでもなんとかうまくいくような雲行き。
フェデリコがらみで、アルゼンチンの若い、望みのない世代も描き出され、社会の描き方に含みがもたれている。
とにかく、レンアイにお歳なんて関係ないんだよね。
恋におちたとき、再び青春が始まるってこと(キザっぽいな)。
ああ、渋い恋がしたいものだ。。。。「あのお、あたし、渋井って言うんですけど、どなたか呼びましたあ?」
(2006/12/18)