イギリス映画「THE ROAD TO GUANTANAMO」(2005)

 「THE ROAD TO GUANTANAMO(「グアンタナモ、僕達が見た真実」)」、マイケル・ウインターボトム、2005 、イギリス

 キューバの一部を米軍が占拠してグアンタナモ基地として使用している。そこへ、たまたまパキスタン、さらにアフガニスタンを訪れた英国国籍のパキスタン人の若者数人が逮捕され、テロリスト扱いされ、グアンタナモに送られる。

 送られる以前、そして送られてからのちも、虐待のみならず、集団虐殺の危機を何度も感じる。冤罪、というのでは生やさしい。

 撤退した管理という点では、ナチによる強制収容所でのものに似通っているが、精神医学もふくめて、あらゆる科学の進歩が虐待のテクニックに一役買っている。管理の科学。

 ドキュメンタリータッチのドラマであるが、この息苦しさ。管理する側の透徹さ。いかにしてこのような条件のなかを二年もくぐってこられたのか。

 アルカエダとの関連を終始、疑われていたが、ついには米軍の誤りという結果になって釈放される。
 ふつうの感覚のひとならば、あまりの拷問にたえきれず、当局のいうがままに罪を認めてしまっていたと思われる。

 この監督、おなじくイギリスへのパキスタン移民などが出世作である。わたしは残念ながらナイン・ソングスしか見ていないけど。これ、以前にも記したことがあると思うけど、この作品の前作はトリストラム・シャンディの映画化なんですね。いったいどんな代物になっているんだか。

 
 (参考)
カブール(CNN) 米軍情報筋は13日、アフガニスタンの首都カブール近郊バグラム米空軍基地内の収容所から昨年7月に脱走したアルカイダ指導者4人のうち、アブ・ナシール・カフタニ容疑者が6日に拘束されたと語った。


カフタニ容疑者は、国際治安支援部隊(ISAF)とアフガン軍によるコースト州での掃討作戦で拘束された武装勢力6人の1人。サウジアラビア国籍やパキスタン国籍の容疑者らとともに拘留された。


バグラムの収容所を脱走した4人は、アルカイダのビデオで当時のもようなどを語っていた。中でもカフタニ容疑者は収容所の見取り図を描いてみせたうえ、脱走後タリバン接触したことを明らかにするなど、詳細を具体的に明らかにしていたという。


4人のうちオマール・ファルーク容疑者は今年9月、イラク南部バスラで英軍に攻撃され、死亡した。


ISAF報道官によると、今回の掃討作戦では手投げ弾や兵器、弾薬、ライフル銃が発見された。付近の軍事施設を撮影したビデオカメラも押収されたという。

(こういうことを言われても、もう全然信じる気にはなれないネ)


                   (2006/11/14)