スペイン映画「Princesas」(2005)

 


・「Princesas」FERNANDO LEóN DE ARANOA、(2005),スペイン

移民のモンダイでもある。このあいだスペインのどこかであった映画祭の審査員になったホセ・サラマゴも強調していた。アフリカは北に移りたいひとで溢れかえってる。
 まずカナリア諸島にたどり着き、そこからスペイン等を目指す。それがあまりの数に及ぶので、開明的左翼的で評判のサパテロ政権までが移民流入に硬化した。
 しかし大勢はどうにも元通りできそうもない。アフリカは土地を奪われ、生活手段を奪われ、たとえば映画「ダーウインの悪夢」にあったように、ネオリベラリズムの餌食になる。
 はっきりいって、いまは世界中がそんな状態!

 さて、マドリードでのスペイン人のプロスティトゥータも、南から流れ込んでくるプロスティトゥータのとばっちりを受けて値のダンピングやら機会にあぶれたりと影響をおおきく被っている。
 その一人のスペイン人のプロスティトゥータが、ドミニカ共和国出身の女に恨みをもつ。
 なんでドミニカなんだろう。ドミニカといえば野球王国。仕事先といえばまず米国が頭にうかぶはずのカリブの国なのにマドリードにたどり着く。(スペインの移民事情については、ankochanの日記に残しているLauraさんのコメントが有益)
 しかしこの二人の女、ふとしたことから仲良くなる。ここからマドリードでのプロスティトゥータの周辺のモンダイがエスニック的視野を強調しつつ明らかにされてくる。

音楽にマヌ・チャオの曲がいつつくらい使われていた。cinco corazonesや、el caso de cayeとか。つまり音楽的にも注目される作品なり。


                (2006/11/12)