ドイツ映画「Sophie Scholl - Die letzten Tage(「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」)」(2005)
「Sophie Scholl - Die letzten Tage(「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」)」(2005)マルク・ローテムント 、ドイツ、
ドイツの戦前の白バラ運動については、小耳にはさむのみで、詳しいことには通じることなく過ごしてきた。作品を観て、あらためて調べてみると、この女の子(たち)がいかに反戦の偶像的存在なのかを思い知ることができた。
それで、映画的分析をするべきものなのか。それとも反戦運動の意味について思いをいたすべきなのか、しばし戸惑う。
ナチス国家という構造的悪に対して、いったい何ができるのか。
あるいはナチスという非人間的状況下において、人間の尊厳を守っていくためには(大時代的物言いになっちゃうけど)、どうすればいいのか。ひととひととの信頼関係をどう築いていけばいいのか。そんなことを考えさせられる。実際に自分が其処にいたならば、いかに窒息状態に鬱屈するかを思い、沈み込む。しかしながら、そのなかを生き抜いてきたひとたちはいる。生き抜くことを停められたひとたちもいる。
けっきょく、偶像化、崇拝化の程度に留意しつつ、いかに継承していくかが重要なのだろうか。
(2006/11/03)