ルーマニア映画「The Death of Mr. Lazarescu」(2005)
・「The Death of Mr. Lazarescu(「Moartea domnului Lăzărescu」)」、Cristi Puiu、ルーマニア(2005)
ルーマニアといってもドラキュラばかりではない。
去年のカンヌにも出品された作品。2005年製作で監督はCristi Puiu。
しかし、これを見たのは、七月のはじめ、ウチがまれにみる浸水を被った日のことで、後味がきわめてわるい。でも、いちおう、綴っておこう。去年のカンヌにも出品されている。
かつての社会主義国ルーマニアの医療制度はどうなっているのだろうか。いわゆる「自由化」以後、いったいどういう具合になっているのか。
全国民無料医療制度があれば、それに越したことはない。ウチの国も恰好だけは社会主義化をまねて、医療無料なんてことを実施中である。しかし、じっさいはきわめてお粗末。お金を払ってでも、ましな医者にかかりたいという声が多い。わたしの体験からもそういえる。
この映画では老人がからだの不調を訴え、救急車に来てもらう。しかし、ちょうど公共交通機関において事故があったこともあり、どこの病院にいっても、たらいまわしされる。ああ、ニホンだけのことじゃないんだ!
そのあいだに救急隊員といろいろ話しを交わす。題材からいっても、どちらかというと、やや退屈な内容で、しかも長い。患者さんの苦しんでる様子もわかるから、見ていて重苦しい気分になる。
ということで、やっぱり後味わるい作品かな。でも、いっしょに苦しんであげたよ!といってあげたい。
ラストは明らかではないが、ほぼ想像はできるもの。
(2006/08/25)