チリ映画「El Desquite(報復)」1999
「El Desquite(報復)」Andres Wood, チリ、1999
アンドレス・ウッド監督によるチリ映画。あの有名な「Machuca」の監督でもある。1999年制作。
チリのアシエンダ(大農園、チリではフンドというらしい)の農園主に女のこの孤児が引き取られる。奥さんの相手役というような意味合いであるが、まもなく持病で奥さんは亡くなる。成長した女のこと農園主は愛人関係になる。
簡単に大農園といっても、メキシコのハリスコ州あたりによくあったようなものとはぜんぜんちがう。その意味ではエキゾチックで、まるでスペインかイタリアの田舎のようなかんじ。
しかし、女のこが妊娠したところで農園から追い出される。偶然、ひきとった家はワイン販売などのいなかの酒場みたいなところ。ここの娘は恋仲の相手がいる。しかし、農園主が無理やり娘を自分のものにしようとして父親を買収する。
さて寝屋のシーンでは、孤児だった女がここの娘のふりをして相手をする。まるでメキシコのペドロ・パラモのひとこまのよう。
しかし時がすぎ、ついにばれる。女は農園主を銃で脅すが、逆上する。ついには、農園主と父親が相打ちという結果におわる。
いったいどういう結末におわるのだろうかと、後半をすぎたころからあれこれ考えていた。まあ、ギリシャ悲劇調というところか。
まずだれも見ることがないだろうと思って、わりにまともに荒筋を追ってみた。途中で二回も停電になり、もはやこれまで、と思ったけど、すぐ戻った。雨が降ってるわけじゃなかったのに。
そう。ピノチェットなんてどこふく風といった感の、むかしのチリの田舎、その暮らしや生理といったものまでが描き出されていた。
(2006/05/28)