イギリス・米国映画「Goal!(「ゴール」)」2005

 ・「Goal!(「ゴール」)」、Danny Cannon, イギリス・米国、2005

「ゴール」というFIFA公認の映画。ちょっとばかにしてた。というか、ストーリーを読み間違えてた模様。
 つまり、メキシコのサッカー大好き少年が米国に密入国して(米国の)サッカー界で秀でる。成功譚として。

 実際にDVDで見ると事情が違ってた。米国でイリーガルのまま家族と働きつつアマのサッカー選手をしてた青年がひょんなことでイギリスのプロサッカー界で傑出していくというシンデレラストーリー。
 恥ずかしながら、わたくしはこの種のハッピーエンディングに嬉々とするようなお歳ではない。見てみようと思ったのは、イリーガルのニンゲンがいかに名声を得ていくかのプロセスに興味があったから。

 この家族、母親は去り、父と祖母の家庭環境。父親のメンタリティーとしては水物のプロ界に足を突っ込むより、家業の庭師を地道に進めたいというポリシーらしい。

 しかし、運よくイギリスプロ界に青年は紆余曲折を経たのちにメジャー化していく。イギリスプロ界の内外の環境もなかなか描かれている。

 ふむ。それほどイイ映画だとは思わなかったけど、思ったよりまとまったストーリーになってて、それほど飽きなかった。

 ちなみに世界でもっともメジャーなサッカーは、世界規模マーケットが浸透してて、どこかの地方で傑出すると、すぐさま世界マーケットにどう繰り込まれるかという手続きが行われるらしい。いわば国際労働の流動化の最先鋒といったところ。もちろん動く金も、想像を超えたものらしい。


スポーツ物で言うと、たけしのキッズ・リターンなんかはかなりリアルですよね。ゴール、ストーリーもたいして知らずに見てたから、どっかで挫折するんじゃないかと(いくらか期待しつつ)見てましたが、先に語ったようにシンデレラボーイ。頂点に上り詰めるのはほんのごく少数で、夢をかなえさせることなく消えていく選手というのがそれこそ、うじゃうじゃいるわけですね。判官びいきってわけじゃないですが、堕ちてしまう若者のほうにわたしはより興味があるかな。


                       (2006/04/10)