フランス・オーストリア・ベルギー映画「Darwin's Nightmare(「 ダーウィンの悪夢」)」2004
・「Darwin's Nightmare(「 ダーウィンの悪夢」)」、Hubert Sauper(フーベルト・ザウパー)、フランス・オーストラリア・ベルギー、2004
グローバリズムと生態系。うってつけのこのドキュメンタリー映画は今年のアカデミーにもノミネートされたはず。
ニホンでもブラックバスのことがいわれている。在来種を淘汰する外来種。タンザニアのヴィクトリア湖でも話されたナイルパーチという大きい魚によってすべてが一変する。
好まれていた在来種は滅亡に近く、外来種のナイルパーチは主にヨーロッパ向けで地元での消費は考えられない。ナイルパーチの漁獲、および加工によって部分的には雇用等潤っているようにみえるが、それがかなり歪んだ形になっている。低賃金やら健康問題やら食料問題やら。
それを巨大貨物機が往復する。ニホンにも送られているらしい。しかも、ヨーロッパから飛んでくるときは、近隣諸国向けに武器が含まれていることがあるらしい。近隣とはあのウガンダも含まれている。
要するにヒューマニズム云々以前にいかに欧米が武器輸出によって成り立っているか。その円環の一部として国連軍もあるのだ。ほら、ホテル・ルワンダだってよりマクロに見えてくるはずだ。
ヨーロッパとアフリカの関係、いかに抜き差しならぬものになっているか。
もちろんそれは、たとえばニホンとフィリピンやらインドネシアなどなどにも置き換えることもできるのだが。
Hubert Sauper "Darwin's Nightmare".
NHKBSで放映されたというハナシもある。
参考になるのはこれかな。
http://bretagne.air-nifty.com/anne_de_bretagne/2005/04/darwins_nightma.html
なお、日本がナイルパーチの世界第2位の輸入国であらしい。
白身魚の加工品はたいがい、これらしい。
このドキュメンタリー、演出もあるのではないかと監督の恣意性をうたがうひともいる。
しかし、ひとつのアフリカの、いや、世界の現実であることにはかわりがないだろう。
(2006/04/09)