フランス映画「Va savoir(「恋ごころ」」(2001)

 ・「Va savoir(「恋ごころ」)」、Jacques Rivette、フランス、2001


ジャック・リベットという監督は、長い、込み入った作品を撮るという印象がある。とはいっても、わたし、それほどたくさん観ているわけではないんだけど。

 2001年に撮った「恋ごころ」”Va savoir"もご他聞にもれず、数人のレンアイ関係を綴っていく。しかも大人の恋の話。そういうふうに見せつけられると、えっ? 恋ってそんなに大げさで深刻なものだったっけ、なんて嘯いてしまいたい。この話、プルースト的文体で綴っていってもやはり華麗だろうな、と思う。

 いや、そうではないだろう。恋というのは熱病なのだ。とても高みからなんて見物はしていられない。ただわからないものに突き動かされるのみ。倫理も道徳もあったものではない。

 でも。でもその恋とて永遠ではない。その色褪せたときの惨めさったら。。。

 いかん、映画の話から一人歩きしている。ストーリーが内心的に核をつくっていく。ある程度の水準を超えた脚本には、たしかに見るべきもの、学ぶべきものがある。

 ということで、恋に陥ってものは、高みどころかせいぜいが地を這うのみしかできない。これはペシミスティックだろうか。それともあっさり花火になる?


                     (2006/03/31)