アフガニスタン映画「Osama(アフガン零年)」(2003年)

 
・「Osama(アフガン零年)」、Siddiq Barmak(セディク・バルマク)、アフガニスタン・日本・アイルランド、2003年

タイトルはオサマ、NHKの援助により2003年に製作。
 タリバン政権崩壊後、アフガニスタンでのはじめての映画制作。

 アフガニスタンの複雑な問題、タリバンを描き出すためにはどのような材料を用いればいいのだろうか。
 たとえば長い間、アフガニスタンは国土の荒廃、とくに冷戦時のモンダイを引きずっている。
 たとえば地雷原。このあいだのイラン映画だったかの「亀は空を飛ぶ」でも(戦災孤児としての)子どもと地雷原のモンダイが描かれていた。いつか新聞のアフガニスタンの写真で義足が山のように積まれているのがあり、そうか、それだけ需要があるのかといたたまれなくなったことがあった。

 働き手がいなくて、女の子が近所に働きに出る。しかしタリバン支配下、女性はひとりでは歩けもしない。そこで女の子は男の子を装うが、哀しいかな、見破られ、悲劇へと突き進む。
 男と女の壁、ジェンダーなんてよその世界の話。原理主義があるばかり。これは昨日のような「先進国」での性同一障害などせせら笑うようなすさまじさ。

 メキシコのソール・ファナ・イネスの場合は、勉学を志して男装しなければならなかったという話だが。


                    (2006/03/22)